こころの処方箋という本を読んでみた。この本に書かれてあることは、うんうん、そうそうと納得いくことが多い。筆者の言葉を借りると、この本には常識が書いてあるのだそうだ。だからこそ納得のいくことが多いのだろうが、それが心地いいのだ。日常、いろんなことを考えていると、ぼんやりとわかったようなわからないような命題が浮かんでは消えるような感覚がある。そんなことをわかりやすい言葉で、実はそうなのだよと言ってくれている気がするのだ。時には、全く想像もしなかったような見方が示してあったりする。よくあるハウツー本とは異なり、これを読むと人生のすべてがわかりますよという性質の本ではない。肝心のところは自分で判断しろと突き放されたような気分になる文章もある。ズバリ答えが書いてある本ではないのだが、物事の見方のヒントを指し示してくれていると思う。
「ふたつよいことさてないものよ」なんて言葉に気がつかせてくれただけでも、十分にこの本の価値があったように思う。

- 作者: 河合隼雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/05/28
- メディア: 文庫
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昨日、近所で見かけた花がきれいだった。
